白銀の女神 紅の王
そして今日も欲にまみれた人々は集まる。
一獲千金のチャンスをものにして喜ぶ者。
有り金をはたいてしまい嘆きながら帰る者。
それぞれのテーブルごとで大金を巡る賭博をしている。
そんな中一際賑わうテーブルがあった。
円形テーブルの中央に山のように積み上げられている金。
その金を囲う様にして5人の男が緊張の面持ちで互いを見ている。
そして、その中の一人30代半ばの男がニヤリと笑い口を開く。
「いくぞ、ショウ・ダウン」
その声と共に一斉にカードを表示する男たち。
同時に、歓喜の声や溜息がその場を包む。
「ストレートだ」
そう言って自分の胸の前に掲げたのは先程ショウ・ダウンの合図をした男。
「くそっ…またか」
「これで、何回目だ?」
男のハンドを見て悪態をつく男たち。