白銀の女神 紅の王
苦しそうに細める紅の瞳と視線がぶつかる。
反射的に顔を逸らしそうになるけれど、シルバの手が阻止し、後頭部を固定された。
そして、シルバは表情を変えず、口を開く―――
「もう……絶対にあんな真似はするな。」
苦し気に紡がれた言葉……
けれど――――
「あんな…真似?」
紅の瞳に魅入られたまま、シルバの言葉を繰り返す。
すると、シルバがムッと不機嫌に眉を寄せ…
「俺を庇うような事は、もうするなと言っているんだ。」
「ッ………」
その言葉に、一瞬瞳を開き、途端に眉を寄せる。
やっぱり……迷惑だったんだ……
覚悟していたのに、やっぱり本人から言われると辛い。
「いいな?」
念押しするシルバに、私はコクンと頷くしかなかった。
それに満足したのか、シルバは再び私の頭を自分の胸に抱えた。