白銀の女神 紅の王



ニーナの仕事は私の身の回りの世話だ。

後宮の掃除や食事運び、果てにはお風呂の世話までされるから困りものだ。

今までお風呂は一人で入ってきたので、恥ずかしくてたまらなかった。



そして、ニーナには普通の侍女ならばしないであろう仕事が一つあった。



それは“能力チェック”。



なんでも、シルバはニーナに毎朝私の能力がちゃんと機能しているかをチェックするという役割を与えたと言う。

内容は簡単。

ニーナが思っている事を能力を使って当てると言うものだった。





そして今日もそのチェックをする―――

王宮に来て二日目の朝もシルバはいなかった。

本当に後宮に来ているのかしら?

そう思わずにはいられない。

まぁ来ていても来ていなくても私には関係のないことだけど…



「エレナ様?今日は、如何ですか?」

ニーナがまん丸い琥珀色の瞳を輝かせて言う。




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