白銀の女神 紅の王



「あっ…ごめんなさい。考え事をしていて…もう一回お願いできる?」


余計なことを考えていたせいか、ニーナの心を読むのを忘れていた。



「分かりました!では、いきますよ…」

ニーナはそう言って真剣な顔つきになる。



集中、集中……

能力のチェックをするだけなのに、こんなにも真剣になってくれるニーナに悪いわ。

そう考え目の前のニーナの心を読むことに集中する。

すると頭の中に流れ込んできたニーナの心に、思わずクスッと笑う。



「ふふっ、今日はベーコンエッグとトーストが食べたいのね」

「正解です!今日も絶好調ですね」

真剣な顔つきだったニーナの顔がパァっと輝く。



私たちは毎日の能力チェックで朝食に食べたいものを当てることにしていた。

やはりまだ能力を使うことに抵抗があったし、他人の考えを読むのは気が引けたから……




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