白銀の女神 紅の王



「ギルティス王国と組んで政権を奪ったとしても、狡猾なギルティス王国の事だ。必ずこの資源豊かなアーク王国を侵略しようとするだろうな」

「あぁ、必ずな」

ギルティス王国は昔から極度の資源不足の国だった。

その国土は荒廃しきっている。

しかし、それでも強大な力を誇っているのは軍事力に長けていたからだ。

ギルティス王国は軍事力を持って他国を侵略し、その国の資源を奪いつづけることによって存亡を免れてきた。



そして、このアーク王国もギルティス王国に狙われている国の一つ。

それを知らないわけでもないだろうに。

それでもギルティス王国に救いを求めるなど、本当に馬鹿な奴らだ。

そんな無能な奴らに王位を奪われれば、あっという間にギルティス王国に侵略されることなど目に見えている。




「それで?そいつらはどうする?黒幕の存在も知らないようだし、始末するか?」

デュークが投げた資料の男たちを指し、ニヤリと笑いながら問う。



「いや、泳がせておけ。せいぜい利用させてもらうさ」

ページをめくり、反逆者の下っ端どもの顔写真を見ながら答える。



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