ナンパ男との恋2
第十三章 家族
翌日、ようやく
数日振りに会えた美香の姿を見て 愕然とした。

「ど、どうしたの・・・!?」

「あ、春菜 久しぶり・・・
あはは・・
翔ちゃんに別れ話したら
こんな感じ・・?あはは・・」

顔には ファンデーションで隠してるけれど
それでも青アザが痛々しく頬に見えて
左腕には ギブス・・・・

「何で・・こんな・・・」

「あんまり顔ばっかり殴るから
手で かばってたら
折れちゃってたよーあはは・・」

「私・・・ちょっと
言ってくる!」

「え?ちょ、春菜!?
どこ行くの!?」

「翔くんのとこ。
こんな事するなんて
許せない」

「だ、だめだってば!」

必死で止める美香の手を振りほどき

「何で?こんなの
普通じゃないよ」

「でも、もう・・・
関わりたくないの。
今度は 春菜が
こんなふうになっちゃうかもしれないしさ・・・
ちゃんと、別れる事ができたから
もう、いいの」

強気な美香が
こんなに怯えてるのは
初めて見る・・・

「美香・・・ごめんね・・」

「なーんで 春菜が謝るの?」

「私、
何も・・
してあげれなかった」

「なに言ってんの!
少しね、殴られるかもっていう予感があったからさ、
春菜には言わなかったんだよ?
私の問題だし、こんな目にあうのは
私だけで十分!」

明るく笑い飛ばす美香が
やっぱり痛々しくて
どうしても・・・

私には

このまま見過ごす事ができなかった。



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