ナンパ男との恋2
「もしもし?春菜?
ずっと お父さんも待ってるんだけど まだ帰ってこないの?」

お父さん・・・?

「え?お父さんって・・?」

「話があるついでに
一週間 有給とって帰ってくるって
この前言ってあったでしょう?」

そういえば・・・・
そう聞いたような気がする。

やばい・・・・。

お父さんに
こんな顔見られたら・・・

「お母さん・・・・
私、帰らないとだめ・・?」

「どうせ また輝樹くんの所なんでしょ?
お父さんが帰ってきてる時くらい
春菜も帰ってきなさい」

「あ、うん・・・・・
それはそうなんだけど・・・」

「早くしないと
お父さん 不機嫌になるわよ」

「分かった・・・・」




・・・・・・・・・・



「春菜?どうした?」

心配そうに私の顔を覗き込む輝樹。

「私、帰らなくちゃ・・・
お父さんがいるって・・」

「・・・俺も行く。
その顔じゃ・・・
たぶん 大騒ぎになるだろ・・」

「けど・・・」

「大丈夫だって。な?
ほら、行くぞ」

車の中で
動揺する私の
手を 強く握り締めて
安心させようとしてくれている。


こうしてると
付き合い始めの頃を思い出す・・・
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