ナンパ男との恋2
「いえ・・・俺が悪いので・・
すいませんでした。
今日は・・帰ります」




「じゃあ・・・また
電話する」

外まで見送りに来た私に
気まずい表情で
一言、言った。

「うん・・・・」

そう言う私の頭に
ポンポンと手を置くと
少しだけ笑い

車に乗り込む。

思わず 輝樹を引き止めそうになった自分の手を 片手で強く握り締め
遠くなる車のライトを見ながら 寂しいのか、悔しいのか よく分からないまま
家の中へと入った。


「春菜、お父さんが話があるって・・・」

部屋に戻ろうとした私に
お母さんが呼びとめ
リビングに来るように言われ
重い足取りで イスへと腰掛ける。


「この家、売ることにした」

お父さんの突然の言葉に
事態が飲み込めない。

「い、意味分かんない。
私が・・・こんな事になったから?」

「話があるって言ってただろう?
定年まで あっちの勤務になったんだ。
だから、お母さんとも相談したんだが
春菜も もう卒業だし
この家売って あっちで家買う事にしたんだ。」

「え?私は?私も行くの?」

「最初は・・・・
春菜にも 友達とか、その・・・
彼氏もいるから
春菜の好きにさせようと思ってたんだが・・・
この状況じゃ・・・
そうはいかないだろう?」

「・・・嫌だよ?
私、ここから離れないよ?」




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