ナンパ男との恋2

「春菜の気持ちは分かるが
そういうわけにはいかない。
現に・・・
こんな事になって・・・
お前は 女なんだぞ?
男なら ケンカもあるだろうが・・・
女のお前が・・・
何で・・・
そんな状態になるんだ・・・」

苦しそうなお父さんの表情に 何も言えなくなった・・・・


「とにかく・・・・
この家は もう売りに出す。
売れたら・・・
お前は、ここから離れて
お父さん達と暮らす。
そういう事だ。」


「で、でも
卒業が・・・」


「あと少しすれば
通学しないでいいだろ。
卒業式の時は
お父さん達と出席すればいい。」

「けど・・・・」

「とりあえず
そういう事だ。
今年の末には 引っ越す準備をしておけ」

そう言うと
目も合わさないまま
部屋へと帰って行ってしまった。



「お母さん・・・
私、嫌だよ・・・」


「タイミングが悪いわよ・・・
せっかく・・・
春菜、ここから離れたくないと思って
お母さん 春菜は一人暮らしさせたら・・って 
お父さんに納得させたのに・・・
そんな顔で帰ってきて・・・」


「だって・・・・」

そんな事、知るはずもない。

それに・・・

こんな事になるなんて
予想もできるはずない・・・

私は・・・

こんなケガよりも、
引っ越すことよりも、

輝樹と離れる事が
考えられない・・・・



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