ナンパ男との恋2
「ほら、座って。
ひとまず、携帯は?
貸して」

バッグの中から取り出した携帯を渡すと
そのまま電源を切り
返された。

「迷惑かけて、ごめんなさい」

「落ち着いた?
あっ、ちょっと待ってて」

そう言うと どこかに電話をかけ始めた。

「あっ、お疲れ様です。
宮下ですけど
今夜、体調悪くて、はい。
すいません、明日は来ますので・・」

「はい、これで
今夜は 私も仕事休みだから
何があったか話して?」

私は、緒方さんの事、
不安が消えない事、
輝樹が今、緒方さんを送りに行ってる事を
すべて話した。

「なるほどね・・・
っていうか、何で
そんな女に気遣う必要があるわけ?
意味わかんない。」

少しだけ怒ったような表情だ。

「それは・・・」

「あっ、帰ってきたみたいよ?」

輝樹の車が駐車場に停まった音がしてから

しばらくして
家の玄関が閉まる音がした。
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