ナンパ男との恋2
「大丈夫・・・・?」

心配そうに
亮くんが横から覗き込んだ。

「平気だよー
今更じゃん。うん、
ほら、そういえば
変装した甲斐あって
輝樹ってば
全然 私だって気づかなかったね。
もう 
ドキドキしちゃったよーあははは・・・」

引きつった笑顔になってないだろうか・・・
自分で自分が
どんな表情になってるのか
想像もつかない・・・

「よしっ!
じゃあ~、今夜は
俺とデートしようか!」

呆気にとられてる私の腕を取り
車に押し込めると
音楽のボリュームを上げ
走り始めた。

うるさいくらいの音楽に
後ろから響く 低音の振動が
妙に心地よくて
張り詰めてた気持ちが
少し緩んだ気がした。

行き着いた先は

少しだけ覚えのある海。

数回、

輝樹が連れて来てくれた海だ。

「ここ来た事ある?」

「うん、何回かだけど・・」

「久保と?」

「うん」

「そっか、じゃー
今度からは
俺と来た海ってので
覚えといてよ。あはは」

真っ暗で
波の音しか聞こえないけど

不思議と落ち着く・・・
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