青空。

順の行動

それから私は、<ヒヨコ>さんの読者として交流を深めた


<空>も<ヒヨコ>もお互いの事はあまり聞かずに、ただの読者としてコメントを書くだけの関係でいた


私は<ヒヨコ>さんからコメントがあった時は嬉しかった





同じようにレストラン"夜空"の店員<幸宏>さんに思いをよせてはいたけれど、会社の仕事で忙しかった私はなかなか"夜空"に行く事が出来なかった




そんなある日、順さんに誘われ昼食に行く事になり、私の希望で順さんと一緒に"夜空"へ行った


順さんにも"夜空"を気に入って欲しかったのと、久しぶりに幸宏さんに会いたかっただけだった




「いらっしゃい」
マスターさんの声がした
今日は順さんもいるのでテーブル席に座る事にした


「順さん、気に入りましたか?」

「志保…、別の店にしないか?俺はこういう店は苦手だ…」

小声で順さんは話す

順さんが、気に入ってくれなかったのは残念だったけど
来店した手間帰る訳にもいかないから順さんを説得して注文ボタンを押した

「順さんには申し訳ないですけど、私はここが大好きですよ…ゆったりとした雰囲気が素敵です」

「へ~…でもやっぱ俺には無理だわ…」

順さんがそう話すと



「お水とお絞りです」
運んで来たのは幸宏さんだった

「こんにちは、今日は仕事の途中なんで前みたいにゆっくり出来ませんけど…」


「構いませんよ、所でお連れの方は誰ですか?」

幸宏さん今日は敬語だ……
そっか今は私1人じゃないからか…でも、幸宏さんの顔がおかしいのは気のせいかな?


「先輩の順さんです」

「そうですか……お連れ様はここは気に入りましたか?」

前に、私にも聞いた事を順さんにも聞いた


「あんたには悪いけど、俺は気に入らねぇよ!!」
順さんは荒い口調でそう言った


幸宏さんは残念そうな顔をして
「そうですか……それは残念です、今日のお食事だけでも楽しんで下さい」

「へ~い……」

幸宏さんはそう言うと、厨房へと向かった



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