青空。
涙が溢れる私は幸宏の胸にうずくまり

「幸宏…ずっと流れなかった涙が……今、流れてる…」


「思いっきり泣け!?俺の胸でないていいよ…」


私は流れる涙を幸宏の胸に落とした

幸宏がさらに私を暖かく包み込む


「ずっと…ずっと……こうしてたかった……
志保が入院して、苦しんでる時……
由香以上に抱きしめたかった
志保を抱きしめたかった」



私の首に雫が落ちた
幸宏泣いてるの?

「幸宏?」


私が顔を上げると涙を流してる幸宏さんがいた


「志保……愛してるよ」


幸宏はそう言うと、私と唇を重ね合わせた


それは、あいつに…順に無理やりやらされたキスと違い


温かくて、優しいキスだった


私はただ、幸宏のキスを受け入れていた…

長いキスの後、私は笑顔で


「私も幸宏の事、愛してるよ」





この日から、あの発作は起きなくなった


7月の終わり頃
セミが鳴き始めるこの時期に
私と幸宏は付き合う事になった







空には、きれいな青空が私達を見守っている…










------------完--------------
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