君と二人で
「えっ?なんで?」


「俺が手袋の代わりぃ」


笑顔で私の手をおでこの近くに運んだ。


「俺が、お前の手、ずっと温めてやる」



「ありがと」



「じゃぁな!」


「あっ!ちょっとまって」


ユキの裾をひっぱて呼びとめた。


「私ね、ユキといるとほんとに温かくて、幸せで。一緒に帰ると楽しくて・・・だから、だからね・・・これからも・・・これからもよろしくねっ!!!」




彼が『ふっ』っと鼻で笑うと続けて



「こちらこそ」って言った。




それから、



「俺の手、魔法の手だから」


「えっ?」



「一つ、俺の手は、『智美』ちゃんだけ温めることができる。」


「二つ、俺の手は、『智美』ちゃんを安全に家に送ることができる。」









・・・・「三つ、俺の手は、お前を守るためにある。」


彼はそういってもう一度私の手をぎゅっと握った。



いつも以上に温かい体温・・・・











これが私の好きな『君の手』
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