誘拐犯は私の彼氏!?



手招きだと気づいた瞬間、弱々しく青ざめた犯人の顔に、血の気が戻った。


あからさまに安堵の表情を浮かべると、少し嬉しそうに主犯に近づいていく。


あの男は、もう主犯の犬になり下がっているのだろう。


疲れきった顔で、主犯に呼ばれた喜びに思わず笑みをこぼし、その場を後にした。



犯人が遠退いた後、私は辺りを確認する。


パニックを引き起こしている人質の中で、自分の横でぐったりとした女の子に目がとまった。



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