誘拐犯は私の彼氏!?
私を見上げる彼女は、少し首をかしげてこちらを見る。
肩にかかった長い髪が、スルリと肩から滑り落ちた。
…彼女は、どんな顔をするだろうか…
私の一見無謀な“計画”を聞いたとき。
この状況で、自分が助かる道を見つけた時、人は正気でいられるだろうか。
極限の緊張感の中で、張り裂けそうな気持ちを抑えられる人なんて、ほとんどいないだろう。
うまくやってくれる人ならいいけど…
―ねぇ
「一緒に逃げ出さない?」