誘拐犯は私の彼氏!?
約束
頭の痛みで目を覚ました私の前には、目が充血して疲れの漂う邦人さんの顔があった。
「邦人…さん?
あれ、私…たしか…。」
「…おはようございます、光沙さん。
気分はどうですか?」
私より疲れた顔をしているのに、私を気づかいながら暖かいココアを渡してくれた。
ココアを流し込んだら、口から喉、お腹にかけて暖かい感覚が落ちてきて、少しだけほっとする。
きれいな夜景が見える小部屋の病室。
私の寝ていたベッドの横の椅子に、邦人さんはスーツの上着を脱いで座っていた。