社会科室から見える空
今日は、補習三回目。
私の嫌いな社会だった。
「格好良い先生だったらやる気でるのにね〜?」
後ろの席の梓が言った。
「学校の先生みんな格好良い先生だったら、みんなの成績上がるよね〜?」
隣にいた美夏が続く。
『そうだよね‥‥
社会科の先生なんて40半ばのハゲだもんね〜』
私も同意した。
「あーぁ。ハゲ先生が来るよー(笑)席に座ろっか。」
学級委員の美夏の一言で、みんなが自分の席についた。
ガラガラガラッ
『あっ。』
私は思わず、声を出してしまった。
いつもの、ハゲでデブな40半ばの社会科の先生ではなく、20代くらいの若い先生が教室に入ってきた。
教室は一斉にざわついた。
女子の中には、「キャー!カッコいい!」と黄色い声を出している子もいた。
私は、この瞬間
────恋に落ちていた。