社会科室から見える空
「はい注目〜。」
先生らしき若い男はだるそうにしゃべった。
「えぇっと〜、社会科の先生が体調を崩し、しばらくお休みするみたいなんで、今日から、俺が社会科担当ね。よろしく。
‥‥あ、名前は山崎海斗ね〜。」
先生がしゃべる度に、女子たちは黄色い声をあげていた。
私は、平然を装っていたが、心の中では高ぶる気持ちを抑えきれなかった。
補習の時間はプリントではなく、先生ばかりを見つめた。
そして、今日の補習が終わった。
「んっとー、今日は29日だから‥‥。出席番号29番の‥‥‥未南ちゃん!日誌書いてねー。書き終わったら社会科室ね。」
ニッコリスマイルで言う。
女子の大半は「ずる〜い!」と嘆いていた。
私は、先生に興味がないフリをして、また、平然を装った。