天使と悪魔~2つの顔を持つ男~

その週の日曜日は久々の晴天だった。




気温はグッと下がったものの、

空から降り注ぐ太陽の日差しはとても暖かい。




緒方との待ち合わせは地元の駅だったが――。









「遅刻したー!」


前日あまりにも緊張して一睡も眠れなかった千里。




それが痣となり待ち合わせ時間が過ぎても駅に行けなかった。




緒方には遅刻の謝りメールを送ったが返信は無い。


――絶対怒ってる…!!





せっかくこの日の為に買った服も急いで走るせいで大きく乱れるし、

髪も前日トリートメントして完璧に仕上げたのに寝癖がついて、
結局普段通りの2つ結び。





その揚げ句遅刻なんて……。





どこまで神様は自分の味方なのだろうか。







終点の駅に到着したバスを降りて、千里は駆け足でロータリーに向かった。




ハァハァと切れる息で緒方が教えてくれた車を捜す。


その時ハザードを出している1台の車が目に飛び込んできた。







千里は恐る恐る近寄っていくと……。








「20分の遅刻」


助手席の窓が開き、中から仏頂面の緒方が見えた。
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