天使と悪魔~2つの顔を持つ男~
「あっ、玲さんっ…んっ!」
口からよだれを垂れていることすら気づかないほど快楽に溺れる千里は、
緒方の首に腕を回しながら名前を呼んだ。
「玲って、呼べ…よ」
切れる息と声で千里の耳元で囁く。
「玲…、もうイッ…ちゃう……ぅう」
限界が近くなってきた千里は、悩ましげ目で緒方を見つめた。
緒方はそんな千里をジッと眺めキスを与える。
そして最後の力を振り絞るようにストロークを速めた。
「あああんっ!」
「一緒にイッてやる」
その言葉の後、千里の体内で熱いモノが弾ける。
緒方は歯を食いしばり千里の中への濃い体液を吐き出した。
全身の力が抜けた千里は、
ぐったりとした状態で緒方に寄り掛かかってきた。
細く華奢な体を優しく抱き抱え、
そのままベッドルームへ運ぶ緒方。
そして自分のベッドへ寝かせてあげた。
吐息を立てながら眠るその無防備な表情に緒方の目が細くなる。
ベッドの端に座りながら千里の頭を撫でる手はいつになく優しい。
「……オヤスミ、千里」
眠る千里の口に軽くキスをすると、
緒方は物音立てずに部屋を後にしたのだった。