天使と悪魔~2つの顔を持つ男~

――カッコイイなぁ、緒方先生。



彼女は頬杖をつきながらぼんやりと胸の内で呟いた。






名前は桜井千里。


重くて黒の長い髪を2つに結び、
決して目立つ存在ではない、高校2年生だ。



勉強も運動も全て平均。


飛び抜けていい感性なんて何1つ無い。




性格もそこまで明るくないし、友達もいない。




もちろん男性と付き合った事も無い。





ずっと思っていても引っ込み思案の性格上、
相手に気持ちを伝えられないままが恋が終わってしまう事もしばしばだ。






――♪♪♪♪


その時、制服のブレザーからメールの着信音が聞こえてきた。




千里は慌てて携帯を取ると、新着メールを開けた。






『この後、いつもの場所で』







アドレス帳に登録してない為、宛名はアドレスのまま。


それは送信した相手からの忠告。





‘万が一携帯を落として俺だとバレたら困るからな’



悪魔がそう囁く。







千里は身震いしながら静かに息を飲んだ。
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