天使と悪魔~2つの顔を持つ男~
自分がやりたいすら出来ず、
自分が進みたいと思う道すら却下される。
何を言ってもダメだと頭ごなしに返される事に、正直うんざりしていた。
灰色のように日の目が当たらない薄暗い毎日に転機が起きたのは2ヶ月前だった。
ずっと思いを寄せていた教師、緒方への気持ち。
あの優しくて何でも包み込んでくれるような雰囲気は、
千里はあっという間に恋へと誘う。
その後、恋の病に犯された千里はとある衝撃的な現場を目撃するのだった。
8月の熱い夏の日。
学校で特別講習があり千里は参加していた。
あくまでも出席は自由だが、
親に進められ渋々の参加だった。
その講習が終わり人気の少ない廊下を歩いていると、
とある教師から緒方の声が聞こえてきた。
――先生だ。
声1つで胸がときめく千里。
その声に誘われるように教室へ行くと、
閉まっている扉がほんの数センチだけ空いている。
千里は興味本意でそこから室内を覗き込むと……。
そこには男女が激しく体を揺らしながら繋がる光景が目に飛び込んできた。
千里はあまりの驚きに大きな物音を立ててしまう。