魂のキーホルダー
「おいおい!親友に向かってそりゃないぜ!?」
「親友が人の事、思い切り挟んだのはどうなんだよ?」
「あ、その子なら交番まで連れてかなくても大丈夫だぜ?つーか俺にはむしろ、お前が誘拐したようにしか見えない」
人の事スルーしたのはまあいいさ。この野郎、笑いながらとんでもないこと言ってやがる!!
「俺は誘拐なんかしねえよ!!」
当然反論する俺。俺にそんな趣味はねぇ!!
「誘拐…確かに誘拐ですね」
ちげえ!!知らねぇ!!誤解生むようなこと言うな『謎の少女』!!
「隆久…お前、いつかやるんじゃないか、とは思ってたけど…とうとう犯罪まで犯してしまったのか…」
明人てめぇ悪ノリしてんじゃねぇ!!
「ちげえ!!誘拐なんかしねえよ!!…つーか、交番行かなくていいってどういう事だよ?」
俺が誘拐してないってことも大事だが、こっちの方が重要だった。
「え?だからこの子は迷子なんかじゃないって、本当にキーホルダーだから。」
何言ってんだコイツ…!?
…あぁ、そうか…お前まで頭おかしくなっちまったのか…
「明人…今、病院まで連れていってやるからな…」
「え?なんで?いや、マジだってば。どうすりゃ信じるかな…」
信じるも何もねぇよ…そんなに考えたって無駄だ…
「あ!!そうだ!!ちょいキーホルダーん中戻ってみて!!」
やっぱりお前イカれちまったのか…
「はーい♪」
『謎の少女』…お前も返事してんじゃねぇ…やっぱ早くコイツを…
って…ん?…あれ?
『謎の少女』が消えていた。
「さっきの子は…?」
震える指でさっきまで女の子のいた場所を指差す
「キーホルダーの中さ」
なんて真顔で言う明人。
「は、はははは…何言ってんだ明人…そんなこと…あるわけないじゃないか!」
「まだ信じねーのかよ…じゃあよく見とけよ?」
そう言ってこちらにキーホルダーを見せる。
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