塾帰りの12分
私はレジで支払いを済ませた。
レシートを確認すると、案の定、あれはジュースではなくサワーだった。
……やっぱりね。
「あっ、聡美、金は俺が払うから!」
慌てて追いかけてきたオクに、私はにっこり笑って答えた。
「ううん。
今日、ずっと、オクに払ってもらってたから、ここは私が出すよ。
これで、貸し借りなしってことで」
「えっ!?
それって、どういう……」
戸惑った表情のオクを置き去りにして、私は駅へ走った。