塾帰りの12分
「それ、主人公の弟が犯人」
急に耳元で囁かれ、私は飛び上がった。
声の主は振り返るまでもなく……
「北見先輩!
何で言っちゃうんですかあ!
まだ途中なのに!!」
推理小説を読んでいて、先に犯人を言われることほど嫌なことはない。
「そんなの、そこまで読んでればだいたい想像つくだろ?
ってか、わかってなかったらその先読んでも無駄だ」
キーーーッ、ムカつくーーー!
ありえないんですけど!!
「わ、わかってましたよ!
弟が怪しいとは思ってました!」