手紙
第二章
夏休みでちょうど
家に居合わせた私は、
昼食を作っている最中だった。
そこに君がやって来た。
わざわざ来てくれた君に、
嬉しそうな顔一つしなかったのはとても失礼だった。
しかし、
君との関係を思い出すとやはり、
そうしなくてはいられなかったのだ。
驚きとか喜びよりも
まず私を一杯にしたのは疑問だったよ。
当然だろう。
あの頃の私達は………
そして君と私は、
昔の思い出話をした。
さりげなく私が、
どうしてここに来たのかと尋ねたのを覚えているだろうか?
そして君は、
「えっ?!近くを寄ったから。
ってのはウソで、会いたくなったから。」
と答えたのだ。
残酷としか言い様が無い。
私が最も望んでいた言葉を、
君は平気な顔で言ってしまったのだから。
そして君は仕舞いに、
「また手紙を出してもいいか?」
と私に訊いた。