手紙
第四章
忘れもしない。
転校するかもしれないと、
君の口から聞いた時、
目の前が暗くなった。
そして君が行ってしまうその日まで、
私はまともに君の顔を見ることが出来なかったね。
君が私の前からいなくなってしまうと知っても、
私たちの距離が縮むことはなかった。
縮める勇気も無かったし、
一方通行の思いに
白黒付けられるほど
私に自信は無かった。
けれどそれは、
私をもっと苦しめることになっていた。
思い浮かぶのは、
君のことばかり。
どうしようもない思いと、
君がいない生活。
本当に苦しかった。