蔓薔薇
「アキラさんの事は
 心配しないで下さい
  
 ちゃんと
 お家まで送らせて頂きます」

「これ、タクシー代・・・」
  
そう言って、彼は私の掌に
お金を握らせてくれた。

「困ります・・・」

「受け取ってほしい
  
 本当なら、俺が帰れば
 済む事だけど、あのままの
 セリを残しては帰れない
  
 誰かがフォローして
 やらないと・・・
  
 ミオちゃんには
 迷惑をかけて本当にごめん」
 
何度も謝るイサオさんに
私は微笑んで伝えた。

「今日は
 とっても楽しかったです
  
 誘ってくださって
 ありがとうございました」

イサオさんを残して、タクシー
は夜の街を走り出す。
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