蔓薔薇
「心配はいらないよ
 きっと今頃、アキラが
 誤解を解いてるよ
  
 それに俺たちはそんな関係
 じゃないのは事実だから
 セリが何を言おうが気にする
 事はないよ
  
 ただ、セリは精神的に弱い
 ところがあるから・・・」

イサオさんは、まだ何かを
言いたそうだったが
その言葉を飲み込んだ。

玄関のドアが開き、セリナさん
の声が聞こえた。

「私は、イサからちゃんと
 聞きたいのよ
  
 だから、関係のない
 アキちゃんは黙ってて・・」

彼女はどうして、アキラさんに
あんな強気な言葉を吐き、
冷たい態度を取る事ができるの
・・・・・・?

自分の事を好きだと言ってくれ
全力で守ろうと心から大切に
してくれる人に対して、彼女の
言動はあまりにも酷すぎる。

彼女が、小さな女の子に見えた
< 129 / 361 >

この作品をシェア

pagetop