蔓薔薇
「セリ、アニキも俺も
 セリを騙した事なんて
 一度も無いだろう」

彼女は、アキラさんに握りしめ
られた手を払い除ける。

彼はセリナさんに今、自分が
何を言ってもしかたがないのか

・・・と、顔を伏せ俯く。
   
「俺の話をちゃんと聞いてくれ
 ナツキと付き合う事も俺は
 隠さずに、セリに一番最初に
 伝えた」

「どうして、イサは私の気持ち
 を分かっていて、気づかない
 フリを続けるの?
 
 どうしてなの?
  
 どうして、私を好きになって
 くれないの?」

セリナさんは、イサオさんの手
を握りしめて彼を見つめた。

「セリ、ごめん・・・俺は
 おまえの事を妹のよう
 にしか思えない
  
 おまえはアキラと同じぐらい
 俺にとって、大事な存在
 なんだ」
  
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