蔓薔薇
「俺は、セリよりもナツキを
 選んだ
  
 彼女と過ごす日々は、とても
 幸せだった
  
 俺に見捨てられたと感じた
 セリは今日、君に見せたよう
 な一面をナツキにぶつけた」

セリナさんの強い想いだけが
ナツキさんを苦しめた理由では
無い。
 
ナツキさんの病魔はゆっくりと
彼女に忍び寄っていた。

「俺は、知らなかった
  
 ナツキの病気がそこまで
 重病な事を・・・

 彼女が亡くなった後に
 ご両親から聞いた話では
 
 ナツキは10歳まで生きれるか
 どうか分からないと
 医者すら言い放つ程の
 不治の病だった
  
 ご両親がナツキには短い人生
 楽しい生活を送ってほしいと
 病気の事を伏せていたらしく
  
 もしかしたら
 俺がナツキの寿命を縮めたの
 かもしれない」
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