蔓薔薇
「ミオ、お母さんは
 もう大丈夫だから
 早く帰りなさい・・・

 ヨウジ君に会いたくない
 でしょう?
  
 検査結果は、カリンに
 電話させるから
 貴女は、もうここへは
 来なくていいわ」

「お母さん・・・」

「今日はありがとう・・・
 
 どちら様か存じませんが
 ミオの事を宜しく
 お願いします
  
 彼女の支えになって
 頂けますと嬉しいです」
  
イサオさんは母に、深く頭を
下げてくれた。

「ほら、早く行きなさい」

「それじゃ
 何かあったら連絡してね」

私は、イサオさんと足早に
病室を出て行く私の後ろ姿
を見つめる強い視線があった
 
その男は、足を引きずる。
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