蔓薔薇
私はまだ、ヨウジに
会う事ができない・・・
  
彼に会うのが・・・こわい。 
 
私は、バイトが終わった後に
店頭に並ぶイサオさんの製作
したアクセサリーと、新作の
洋服を従業員割引で購入した
後に店を出て行く。

「お疲れさまです・・・」

「おつかれさま・・・
  
 店長、最近のミオさん
 すごく、感じが
 変わりましたよね?」

「そうね
 きっと、恋ね・・・」

歩いて駅へと向かう私の背後に
嫌な気配を感じる。
 
誰かが、私の歩く速度に
合わせて歩いているような・・

私は、小走りでその場を
立ち去ろうとした、その時
私を呼ぶ声が聞こえた。
 
「ミオちゃん・・・」

振り返ると、そこには
アキラさんが立っていた。
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