蔓薔薇
レストランへ入り、メニュー
を選び、注文をした後
彼は、何も話さなくなる。

私は何か話題をと、紙袋の中
のイサオさんの製作した
アクセサリーを取り出そうと
握りしめた。

その時、アキラさんはコップ
の水を一気に飲み干して
私に告げた。

「ミオちゃん
 俺と付き合ってほしい」

私はアキラさんの言葉に驚き
頭の中が真っ白になる。
 
紙袋の中、イサオさんの
アクセサリーに触れる手を
離した。

アキラさんはこの間の件で
自分のセリナさんへの想いは
彼女にとって必要でないもの
だと思い知らされ

もう、そこにばかり囚われて
いるのをやめる決意を固め
私との未来を歩む事を誓って
くれた。
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