蔓薔薇
「放して・・・
 私は、ここには居られない
 居たくないの

 家に帰りたい」
 
「今の君を一人で帰す訳には
 行かない
  
 ミオちゃん、落ち着いて」
 
「イサオさん、お願いだから
 放して・・・
  
 わたしはここに居たくない
  
 アキラは、今でもセリナさん
 の事を忘れられない」

私は情緒不安定になり、頭は
混乱している・・・

イサオさんは、私の手を離す事
無く握りしめたまま、私の瞳を
しっかりと見つめて、親が子供
に言って聞かせるように
私に話す。
 
「ミオちゃん、大丈夫だよ
 
 心配しなくていい
  
 アキラは君の恋人
 君だけの・・・だから
 自信を持つんだ、大丈夫」
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