蔓薔薇
その場から、急いで離れようと
している私の手をとり、強く
握りしめるユイの姿があった

「ミオ、久しぶり・・・
 元気だった?」

ユイが、私に微笑みかける表情
は、あの日の彼と重なる。
 
治まっていたはずの頭痛が
まだ酷くなっていくにつれ
私の顔は苦痛に歪んでいく。
 
青白い私の頬に

手をあてるユイ

「本当、ミオは
 
 とっても綺麗・・・」

ユイに触れられた部分から
血の気が引いて行くのが分かる
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