蔓薔薇
ついさっきまで、アキラへの
狂おしいまでの想いに

私の頭と心は混乱していたはず
なのに・・・
 
今の私は、イサオさんの言葉を
心から嬉しく思っている。

私は、どうしたいの・・・

どうすればいいの?

イサオさんは、私を
強く抱きしめたまま・・・言う

「ごめん・・・

 弟の恋人に言う台詞じゃ
 ないね
 
 俺、可笑しい・・・だろ
 
 泣いてる君を見ていると
 君を好きな気持ちに
 押しつぶされそうになる」

私は、彼の胸に頬を寄せたまま
肩を震わせて泣いた。

ねえ、ミオ

何がそんなに悲しいの?
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