蔓薔薇
「それで、セリナさんと
 何を話したの?」

「何も・・・話してないよ
   
 セリには事務室で、俺の手
 が回らなかった書類をずっと
 まとめてもらってたし
   
 俺は、途中から頼まれていた
 作品に取り掛かった為、製作
 の邪魔になるからと少し早め
 にセリは帰って行ったよ」

「それだけ・・・」

「美桜もう、セリの話は止そう
 おいしいご飯が冷めるよ
 ほら、お祝いしよう」

ワインの入ったグラスを合わせ
乾杯する。

私は、ご飯が喉を通らない程に
不安でいっぱいだった。
 
イサは、私を裏切らない事は
分かっていた。

だけど、イサを好きだと言う
彼女の真っ直ぐな瞳が、私を
不安にさせる。
 
だって、イサにとって
彼女は妹のように
大切な存在・・・でしょう。

彼女が貴方を呼べば

貴方は・・・
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