蔓薔薇
可愛いお洋服や装身具が
ショーウインドーに
ディスプレーされた
ブティック内は
 
たくさんのお客様で
賑わっている。
 
従業員入り口から
出て行こうとする私に
同僚が声をかける。

私は会釈を済ませて
颯爽とドアを出て行く。

「お疲れさまです・・・
 ミオさんって、美人なのに
 本当、暗いですよね?」

「あれで、愛想が良ければね
 ・・・
 こうやって残業してくれて
 も、少しも有り難いとは
 思えないんだよね
  
 嫌々やってますって
 感じが伝わってきてね」

バイト帰りの夜道を

私は一人家へと向かう。
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