蔓薔薇
イサが傍にいれば、セリナさん
は苦悩を忘れ、あんなにも
はしゃぎながら笑っていられる

私は、ここにいられない・・・

「イサ、ごめんなさい
 会社から、連絡があって」

私は急ぐ、どこでもいい・・・

ここから早く

早く、逃げ出したい。
    
病院の外、駆け出した私は
男性にぶつかる。
  
それは、アキラだった。

「ミオ、何かあったの?」

会社から携帯電話に連絡があり
急いで職場へ向かう事になった
と嘘をついた私は、アキラの元
から駆け出そうとした。

私の手を、アキラは強く掴み
放してはくれない。

「送って行くよ」

私はアキラの車に乗車して
会社へと向かう。
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