蔓薔薇
「アキラ、止めて」

車は道路脇に停車し、私は
嘘をついた事を、アキラに
正直に話した。

「ごめんなさい・・・」

アキラは、私の手を痛い程
に強く握る。
   
「謝らなくていい・・・
 ミオの気持ちが
 俺には分かるから」

アキラは、私を強く抱き寄せた

アキラは、セリナさんを。

私は、イサを。

こんなにも、愛している。

だけど、もう

諦めなくてはいけない・・・

「アキラ、私をどこかに
 連れ去って・・・
   
 抱いて・・・ほしい」
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