蔓薔薇
私は、彼の鼓動を聞きながら
存在する事の喜びを知り
儚く消えた命を思い出すと
涙が止まらない。
彼は私を心配そうに見つめ
その涙の意味を問うことはせず
に、流れる涙を右手で優しく
拭ってくれた。
「少し、痩せたね・・・」
彼に、あの出来事を話す勇気が
もてない私は、ただ心の中で
何度も、何度も繰り返し
謝るしかなかった。
『イサ、ごめんね・・・』
私はイサに手を引かれ、室内に
入り、食卓の椅子に座る。
引っ越すというのに、部屋は
私が出て行った時のまま
きれいに片付いている。
とても住居を変わる為に、荷物
をまとめているようには
みえない。
「イサ・・・
ここを引っ越すって本当?
さっき、母から聞いて
私、居ても立っても
いられなくて、気がついたら
ここへ向かってた」
存在する事の喜びを知り
儚く消えた命を思い出すと
涙が止まらない。
彼は私を心配そうに見つめ
その涙の意味を問うことはせず
に、流れる涙を右手で優しく
拭ってくれた。
「少し、痩せたね・・・」
彼に、あの出来事を話す勇気が
もてない私は、ただ心の中で
何度も、何度も繰り返し
謝るしかなかった。
『イサ、ごめんね・・・』
私はイサに手を引かれ、室内に
入り、食卓の椅子に座る。
引っ越すというのに、部屋は
私が出て行った時のまま
きれいに片付いている。
とても住居を変わる為に、荷物
をまとめているようには
みえない。
「イサ・・・
ここを引っ越すって本当?
さっき、母から聞いて
私、居ても立っても
いられなくて、気がついたら
ここへ向かってた」