蔓薔薇
イサは一瞬、考え、そして
答えた。
「引っ越すのは、俺じゃない
アキラだよ
あいつの部屋にまだ残って
いた君の荷物を実家に届け
たいと、ご連絡したんだ
君の留守に勝手にアキラとの
思い出を俺が受け取るのは
おかしいと思ってね」
「そうだったの
母の聞き間違いなのね
よかったぁ
ここは、二人にとって
大切な場所だもの・・・」
私は、引越しが間違いだった事
に安堵して余計な事まで話して
しまい、続く言葉を飲み込んだ
「私、何言ってるんだろう
もう、ここは、私の居場所
じゃない
私、帰らなきゃ・・・」
慌てて、席を立つ私の手を
イサは強く、強く、摑む。
「美桜、お前の帰るところは
ここしかない
ここだけが、お前の居場所
だろう
俺の傍以外に何処があるの?
聞かせてよ」
答えた。
「引っ越すのは、俺じゃない
アキラだよ
あいつの部屋にまだ残って
いた君の荷物を実家に届け
たいと、ご連絡したんだ
君の留守に勝手にアキラとの
思い出を俺が受け取るのは
おかしいと思ってね」
「そうだったの
母の聞き間違いなのね
よかったぁ
ここは、二人にとって
大切な場所だもの・・・」
私は、引越しが間違いだった事
に安堵して余計な事まで話して
しまい、続く言葉を飲み込んだ
「私、何言ってるんだろう
もう、ここは、私の居場所
じゃない
私、帰らなきゃ・・・」
慌てて、席を立つ私の手を
イサは強く、強く、摑む。
「美桜、お前の帰るところは
ここしかない
ここだけが、お前の居場所
だろう
俺の傍以外に何処があるの?
聞かせてよ」