蔓薔薇
「よかったのか、美桜
 仕事?
 
 ここの事なら
 俺一人でも大丈夫だよ」

私は今、彼に、仕事を断った

本当の理由を話すべきか

話さないべきか、悩んでいる

「ううん、違うの・・・
   
 明日、病院へ行こうと
 思ってるの」 

「どこか悪いの?」

私は、お腹を擦ってみせた。
 
彼は驚き、照れくさそうに
微笑む、そして、私の両手を
握り締めた。

「本当・・・本当なの?」

「検査で陽性反応が出たから
 間違いないと思うけど
 明日、病院へ行ってから
 イサには、話すつもり
 でいたの」

彼は、私を優しく抱き寄せ
頭を撫でながら言う。

「明日
 俺も一緒に病院へ行くよ」
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