蔓薔薇

あの頃・・・

冷たく寂れた私の心には

葉も花もない
　
蔓薔薇の枝があるだけ・・・　
　　
その光景は、とても切ない。

けれど枝は棘を使い

草木にひっかけたり

寄りかかったりと枝を伸ばし

壁を這い上がる。

私はイサに出会い、貴方の肩
に寄り添い、貴方に誘われ
時に助けられて歩いていく。

そして私の心に、たくさんの
蔓薔薇が咲き乱れ妖艶に香る
ように、私自身もイサの傍で
永遠に、咲き乱れる。

誰かに甘えてもいい

寄り添ってもいい
　
私は貴方に出会って
その事を知った。