蔓薔薇
そんな私の視界に、車道に
停まる一台の車がうつる。
 
車から、二人の男性が降り
私の前で行く手を阻むように
立ち止まり、私の顔を
覗き込む。

「彼女一人
 
 どこか行かない?」

私は何も答えず俯いたまま
二人の脇を通り過ぎようとした
その時、右側の男性に
腕を強く掴まれた。
 
男性は、何かスポーツをして
いるのか凄い腕力で

私の掴まれた腕は、痛さを
通り越して感覚が麻痺していく
ようだった。
 
男性の腕を降り解こうと
力一杯に動かすが全く動じない
< 4 / 361 >

この作品をシェア

pagetop