蔓薔薇
「イサが、女の子に誘われて
 飲み会に参加するって聞いて
 なんだか面白そうだから
 こっそり後を付けて行ったの
  
 あっ、イサには、この話は
 内緒ね
 
 彼は視力が悪いから、私達に
 全然気がついてないんだよ」

大人の女性だとばかり
思っていた彼女は、明るく
お喋りな人で、コロコロと
表情を変える姿は、とても
可愛らしい。
 
「若い子の意見も聞いてみるわ
 ミオ、こっちに来て」

店長が私を呼ぶ声が聞こえ
お喋りを止めた彼女は
つまらない話をしたことを
私に謝る。
 
私は彼女の傍を離れ、店長と
一緒に彼の製作した
アクセサリーを見せてもらう
 
「ミオは、どれが好み?」

どの作品もとても素敵で目移り
しそうな程だった。
 
私はその中で、ひと際
個性的な作品に目がとまり
指差した。
  
「とっても、素敵」
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