蔓薔薇
「ミオちゃん
 
 なんか、ごめんね」
  
彼女の後を追いかけて
アキラさんも工房を出て行く
 
残されたのは

私とイサオさんだけ。

私は、彼女が投げつけた
ネックレスを拾おうとした
 
その時・・・

「拾わなくていい・・・」
  
彼の横顔は、悲哀に満ちていた

昔の自分の姿を見ているような

錯覚に陥った私は

彼を抱きしめていた。
< 55 / 361 >

この作品をシェア

pagetop