蔓薔薇
私は、二人の男性から
大切にされている彼女の事
をほんの少しだけ羨ましく
思ってしまう。
工房を離れ帰って行く私の姿を
ずっと見つめる女性がいた。
その女性は、イサオさんの事を
愛しているユイだった。
彼女の存在に全く気がつかない
私は駅へと向かう途中
歩道橋を渡る。
渡り終える頃、橋の袂に立つ
アキラさんの姿を偶然に
見つけてしまう。
セリナさんの声が聞こえる。
「ナツキはいつまで
イサの事を縛り付ければ
気が済むの?
やっと、イサは介護から
解放されて、自分の好きな事
を仕事に持ち、成功して
歩み出したのに
心だけは昔のまま・・・」
アキラさんは
彼女を強く抱きしめた。
大切にされている彼女の事
をほんの少しだけ羨ましく
思ってしまう。
工房を離れ帰って行く私の姿を
ずっと見つめる女性がいた。
その女性は、イサオさんの事を
愛しているユイだった。
彼女の存在に全く気がつかない
私は駅へと向かう途中
歩道橋を渡る。
渡り終える頃、橋の袂に立つ
アキラさんの姿を偶然に
見つけてしまう。
セリナさんの声が聞こえる。
「ナツキはいつまで
イサの事を縛り付ければ
気が済むの?
やっと、イサは介護から
解放されて、自分の好きな事
を仕事に持ち、成功して
歩み出したのに
心だけは昔のまま・・・」
アキラさんは
彼女を強く抱きしめた。